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③店舗設計
2019 12/6 update

店舗の設計や工事からみたカフェ業態について ③店舗設計

店舗設計開始

物件が決まったら店舗設計開始です

1)座席数の検討

座席数は事業計画に大きく影響を与えるため慎重に検討したいところです。
狭い店舗でもコンセプトにもよりますが事業計画上15席は確保した方が良さそうです。
ちなみに、10坪でおよそ15席。15坪で20席以上を目安にコンセプトに合わせて検討。
尚、カウンター席の幅は椅子の形状にもよりますが一人60㎝以上が目安と思って下さい。

2)店内レイアウト(ゾーニング)

厨房や客室の配置、化粧室へのお客様の動線や給仕返却のスタッフの動線には十分な検討が 必要です。
特に化粧室はスタッフの作業動線と交わらない工夫が必要です。
また、厨房から客室の監視のしやすさやお客様からの店内の視認性などコンセプトに合わせたレイアウトを検討します。

3)客 室

カウンター席は状況によって客席以外に給仕返却やレジ等の厨房内との絡みも生じ、形状や長さは十分な検討が必要です。
店舗のコンセプトによっては椅子・テーブル・家具什器への拘りもあるでしょう。
正直、店内の家具装飾等はお金を掛ければ成功するとは限りません。
オープン当初は初期費用も掛かるため装飾はコンセプト内の必要十分に留め、季節によるアレンジも個人店ならではの演出、それが常連客への飽きの来ない配慮になるでしょう。

4)化粧室

疎かにできないのが化粧室。特に女性客が見込まれるカフェにおいて化粧室の雰囲気は居心地の良さへのサポート空間と言えるでしょう。
清潔感は当然のこと経営者のお客様への配慮を感じさせる工夫を発揮したいところです。

5)厨 房

厨房にはニ槽シンク・作業台・冷蔵庫・扉付き収納庫・手洗い器以上の機器が営業許可を受けるために必要な厨房機器で、これにメニューによってコンロ等の火器が加わります。
珈琲以外のスイーツやランチメニュー等が決まらなくては厨房機器も決まらず厨房面積が定まら無い上客席数でさえ決まりません。
珈琲のみでは事業が成り立たず。スイーツやランチメニューの利益が運営を左右します。
①項の店舗コンセプト検討の段階から事業計画の上メニューの検討が賢明です。
また、厨房内での作業動線はサービスに大きな影響を与えるため十分な検討が必要です。
尚、営業許可を得るため保健所への申請および検査が必要ですが。
指導内容は地方自治体で若干変わるため基本プランができた段階で管轄の保健所への事前相談をお勧めします。

保健所指導により設置が必要な設備・什器、相談の結果により設置しなくても住む可能性がある設備
什器また、厨房内にはグリストラップが必要ですが。床下に埋設するグリストラップよりもシン ク下に設置する置き型グリストラップの方が工事額が安価で床に水を流さないドライ工法と称し、ゴキブリの発生を抑えるため保健所もこれを推奨しています。

6)厨房レイアウト

☆菓子製造業での仕様の場合のレイアウトを明記 客室内は基より、厨房の収まりは事業上大きなポイントです。
メニューが決まり調理機器が決まったら効率を配慮した機器のレイアウトの検討です。
製作スペース・火器・シンク・冷蔵庫等の機器配列に下記のタイプが想定されます。

【I型】
調理の流れが横一列のタイプで比較的狭い店舗に向いており。
カウンターに沿わせた状況が多いタイプです。

【L型】
調理の動線が短くて済みます。
L型の入隅部分の下部がデットスペースにならないよう工夫が望まれます。

【並列型】
機器が前後二列に配列され効率よく動けるタイプです。

【アイランド型】
製作調理スペースを室内のアイランドとして周囲を廻れるタイプや製作スペースをアイランドとして上記タイプとを併用するとなどメニューを配慮した効率の良いレイアウトが可能です。

店内での厨房スペースの面積及び形状は計画上早い段階で検討するのが賢明です。
調理の給仕返却等の効率をコンセプトと合わせて検討します。

7)室内仕上げについて。

【床】
床は普段から清掃を心掛け清潔に保ちたいところ。
雰囲気よく無垢のフローリングやテラコッタタイル等を貼るのも良いでしょう。
しかし、無垢のフローリングやタイルの施工には下地造りや取り付けにかなり施工費が掛かる上高額な資材費用で想像以上に贅沢な仕上げであることに気づかれると思います。
工事額の負担も気になる上、キズや汚れのメンテナンスも気になります。
そこで店舗の床材としてお勧めなのがフロアタイル(塩化ビニール製)という材料があり。

木質やタイル柄でスタイリッシュなものからビンテージ調までデザインも豊富でコストも先述のフローリング等の仕上げよりかなり安価に収まり。キズや汚れにも強く店舗の床材としてお勧めです。
尚、厨房の床材はドライ工法(保健所推奨)を配慮し耐久性・耐水性に優れた長尺シートを貼ることをお勧めします。

【壁】
壁面の素材や配色は店舗のコンセプトに合わせてデザイン検討したいところです。
例えば造作材の木部の塗装色一つでイメージは変わります。
客室の仕上げのメインはコストの面から塗装やビニールクロス貼りなどが主流ですが。
下地処理の手間を含めると塗装仕上げよりビニールクロス仕上げの方が安価に収まるようです。
厨房内の壁面は本来耐火性と防水性を配慮し、化粧ケイカル板やステンレスを貼ることがベストですがコストの問題もあり。塗装やビニールクロスで仕上げるケースが多いようですが。
ビニールクロスの場合は消防上、防火認定の不燃クロスを貼る必要があります。
尚、コンロやオーブンの火器廻り、ニ槽シンク等の水廻りにはなるべく化粧ケイカル板やステンレスを貼ることをお勧めします。

【天井】
 最近は天井を高く見せる効果もありスケルトン(天井を張らずに躯体露出)にして塗装を施すインテリアが多く見受けられますが。露出した設備配管配線等を整える状況から通常よ り施工手間が掛かり設備工事費は嵩む場合があります。
尚、厨房内の天井は衛生面で保健所指導上必ず天井を張り、設備配管配線等を天井裏に納めなくてはなりません。
その際、天井材のジプトーンに関しては認められていないことが多く注意が必要です。

☆照明について
お客様に与えるお店の印象を大きく左右します。カフェでは客席の照明は間接照明が主体ですが、昼間に必要な光量と夜間に適切な光量は同じではありません。調光装置などは必須で す。また、厨房内の照明は蛍光灯が基本です。厨房の明かりが客席からどのように見えるかなどについて考慮する必要があります。

☆ ファサード・外観
お店の外観が店内のようすや、提供する商品を連想させるかどうか、看板やメニューなどの表示がわかりやすいことが求められます。

まとめ

普段から身近に感じるカフェ事業ではありますが、起業するとなると計画の進め方、事業計画の立て方、物件の選択等慣れないことも多く。
実務は同業種店舗のアルバイトでいろはを学び経験することも出来ますが、美味しい珈琲の淹れ方を教わることと同様に、店舗経営や設計等の専門家へ積極的に相談することも起業前に得ておきたい知識です。 起業することはオープンすることが目的ではありません。
夢を形にした後はいかに運営継続していくかがポイントです。
環境を見定めコンセプトを持ったカフェ事業を堅実に進めて参りましょう。

著者
田中 稔久 株式会社ライズコーポレーション 代表取締役 人生100年時代が叫ばれるなか、終身雇用の時代は終わり。
脱サラ、独立、定年後第二の人生の選択に迫られる現代。
心機一転店舗開業を志し、なかでもカフェ開業を選択された方に店舗計画の進め方に役立てて頂けたら幸いです。
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