コンベクション(コンベクションとは対流の意味)オーブンとは、庫内にファンが備わっていて、内部に対流を起こし、熱を循環させることで、食材を短時間で均一に加熱できる。熱風で焼成するタイプのオーブンである。立ち上がりが早く、急速に低温での商品を焼く場合に適す。カフェに限らず、様々な飲食に導入されている。製菓製パン専門店では、上火、下火の設定がなく、生地に風を当て焼成する為、焼成の難易度が高まるために、アイテムの少ない小規模店や第2オーブンとして導入が多い。
スチームコンベクションオーブン(スチコン)とは、コンベクションオーブン(ファンにより熱風を強制対流させるオーブン)に、蒸気発生装置を取り付け、熱風または蒸気をそれぞれ単独で利用して、「焼く」「蒸す」が可能である。また、同時に利用することで、「煮る」「炊く」「炒める」なども出来る多機能なオーブンである。摂氏100度を超えた過熱水蒸気は熱容量が大きいために熱の回りがよく、焼きムラも少なく、また湿度も高くなる為、食材の水分が失われず、表面が乾いて固くなってしまうこともない。特にカフェやレストランで注目されているオーブンである。ベーカリーでは天板等のサイズが小さいので、カフェ系の店舗での導入が主体である。
上火、下火の独自の設定が出来るため、焼成の幅が広い。業種問わず、焼き物では幅広い用途に対応する。同型のものは、ベーカリーやパティスリー等で導入されている為、本格的なパン屋スィーツにこだわるカフェ、ピザ等の焼成ではデッキオーブンを導入する場合も多い。下火の熱で生地が持ち上がり、上火の熱で焼き色などをつける。基本的には、オーブンは上火や下火からの間接的な「蓄熱」により焼成する。その蓄熱の形により、パンや洋菓子等の得意なものが若干変化する。また、最近は一枚差などの小型のデッキオーブンも開発されていることで、カフェ等での導入も目立つ。また、電気式のピザ専用の石窯もほぼ同様の構造の為、小型店では1段式のデッキオーブンを使用することが多い。
石窯(いしがま)とは、耐火性の煉瓦、コンクリート、岩石、粘土・磁器等で作られた空間で調理するオーブンのことである。カフェでは、ピザ用の石窯がイタリアン等で導入されている。ピザの石窯は、薪等を燃やしながら焼成するものや、電気やガス式のもの等多様化しているが、通常のデッキオーブンよりは高額なものが多いため、カフェでは、コンベクションオーブンやデッキオーブン等の導入が多い。
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