筆者が勤務していたレストランチェーンでの実例としては、
・千円や5千円札を出しておきながら「1万円を出した」と言い張り、余分に釣銭を受け取った
・もらった釣銭の札から何枚か抜いて「釣銭が足りない」と言い張り、余分に釣銭を受け取った
・1万円札の両替を希望し、特定の番号の札を集めていると言ってチェックを装ってお札を抜いた
このような行為の常習犯の手並みは実に鮮やかで、いつお札が抜かれたかも分からないケースがほとんどです。
また、高圧的な恫喝口調でまくしたてるパターンも多く、その勢いに負けてレジ担当者がお金を渡してしまうケースが後を絶ちません。
これらの行為を防ぐためには、
・預かったお金は会計が終わるまでレジ内には収納しない
・釣銭のお札をお渡しする際、お客様の目の前で1枚ずつ数えてからお渡しする
・両替をお断りする(特定番号などの条件付両替はお断りする)
といった対策が必要になります。
逆に言うと、そのような対策をしていない店舗は、これらの詐欺行為の常習犯に「狙い目の店」と目を付けられがちです。しっかり対策を取り、付け入られる隙を作らないようにしましょう。
レジで「釣銭をもらっていない」と言った金銭授受のトラブルになった場合、次のような解決法があります。
1.レジの防犯カメラの映像を確認する(カメラを設置している場合)
2.キャッシュカウントをしてレジの現金在高を確認し、売上高と照合して間違いがあったか確認する
しかしどちらにしても、迅速に対応しても5分10分はかかる作業であり、営業のピーク中だと対応が難しい場合もあります。
そのような場合は、その場での返答を避け、お客様のお名前とお電話番号をお伺いして、後ほど確認をしてから改めてご連絡いたします、と対応しましょう。
その結果、明確にお店側のミスであった場合は、お電話でご連絡してお詫びし、お勤め先やお住まいをお伺いしたり、現金書留で郵送するなどしてご返金する必要があるでしょう。
しかしお店側のミスが認められなかった場合は、調査の結果現金の間違いが無かったことを報告し、ご返金はできないことをお伝えする形になります。
ただし、これらの段取りを経た対応をするためには、オーナーや店長がそれなりの時間を拘束されます。
その人件費を考えるのであれば、100円200円といった少額の誤差なら、確認せずに責任者判断でご返金する、という考え方もあっていいと思います。ただしそれは裏返すと、常習犯につけこまれる「隙」を作ることにもなりかねません。
そのような対応をする場合、該当したお客様の性別や特徴を控えるなどして、繰り返しを防ぐ対応をした方が良いでしょう。
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