記事更新:2021/07/19
自宅カフェは、一般的な独立型の店舗と比べると手軽に開業できるので、まずはその方法で始めてみたいと考えている人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、開業に必要な届出と資金に関することや、開業可能な物件の条件、そしてメリットについて紹介します。
自宅カフェは、当然のことながら飲食店なので、保健所への申請と審査を通過することが必要になります。
同時に食品衛生責任者の資格を(店舗ごとに1名以上)取得することが必須となります。
保健所の審査では、調理場と客席に仕切りがあることや、シンクが2槽以上あることなどが現地調査でチェックされるため、事前にそうした条件をクリアできるような店舗にしておくことが必要になります。
そのため内装工事などをする前に、必要な条件について調べておくことが重要です。
わからない場合は保健所に確認しておくとよいでしょう。
そしてカフェを開業する場合
「飲食営業許可」「喫茶店営業許可」などが必要となります。
「飲食営業許可」
アルコールや店内で調理したものの提供が可能。
「喫茶店営業許可」
アルコールだけでなく店内で調理したものの提供も不可
わかりやすく言えば、喫茶店営業許可は、アルコール以外の飲み物と調理しない食べ物だけが提供できるということになるでしょう。
どんなメニューを提供するお店にするかということを考えたうえで、どちらの営業許可を取るかを決める必要があります。
「食品衛生責任者」については、講習会(費用1万円程度)に参加することで取得可能であり、調理師や栄養士などの資格を持っている場合は講習が免除されることもあります。
開業にかかる資金に関しては、内装費や設備費、運転資金が必要であり、
合計すると300~800万円程度かかるのが一般的です。
内装費は坪単価20~50万円程度で、厨房機器などの設備費は小規模な店舗でも100万円以上、そして運転資金は売上の6カ月分が目安になります。
自宅カフェは、どの物件でも営業できるわけではなく、行政が定めた「用途地域」によって営業可能かどうかが決まります。
用途地域というのは、その地域に建てることができる建物の種類を定めたもので、住宅系や商業系、工業系などがあります。
例えば、住んでいる場所が第1種低層住居専用地域に指定されている場合は、飲食店などの店舗を建てることができないので注意しましょう。
そして、もし店舗を建てることができる用途地域だったとしても、周辺住民への配慮が必要になってきます。
飲食店を開業すると、その地域以外の人も呼び込んでしまうことにもなるため、
防犯の観点などで気にする近隣の人も少なくありません。
そして一戸建てではなくマンションで開業したいという場合は、マンションの規約によって営業利用ができないように決まっている場合があるため、事前の確認が必要です。
また、物件のある場所が法律などの要件をクリアしている場合でも、人があまり来ないような立地だと、宣伝費用が多くかかったり、客足が少なすぎて経営自体が成り立たないということもあり得ます。
そのため、ある程度の客が見込める立地かどうかということも、無視できない条件だと言えるでしょう。
①コストを抑えることができる
自宅カフェを開業するメリットとしてまず挙げられるのは、「比較的低コストで始めることができる」ということです。
一般的な独立型の店舗は、物件の取得費だけで80~300万円程度かかってしまいますし、開業資金全体で、1000万円以上かかることも珍しくありません。
その点、自宅カフェの場合は、先ほども紹介したように開業資金が300~800万円程度で済むため、開業にかかるコストをかなり抑えることができます。
それに、自宅であれば、店舗と2重に家賃やローンを支払う必要がないため、ランニングコストも抑えることが可能です。
②独立した店舗を持つための一歩になる
次に挙げられるメリットは、「将来、独立型の店舗を持ちたい場合の良い練習になる」ということです。
独立型の店舗は、高い費用や失敗した場合のリスクなどを考えると、躊躇してしまうこともあるでしょう。
しかし自宅カフェなら比較的手軽に始めることができますし、営業を続けながら経営ノウハウなどを学ぶことができます。
そして経営に自信がついて資金も貯めることができたら、独立型の店舗を開業できる可能性も生まれてくるでしょう。
③副業として経営することができる
さらに挙げられるメリットは、「本業のかたわらで副業としてやることもできる」ということです。例えば、今は会社員だけど将来は自分のお店を持ちたいという人が、副業として空いた時間や曜日だけ営業することもできます。
まとめ
自宅カフェを開業するためには、保健所への申請と、食品衛生責任者の資格取得が必要になり、開業資金は300~800万円程度かかります。
開業可能な物件の条件については、行政が定める用途地域を調べる必要あり、場合によっては開業できないこともあります。
自宅カフェを開業するメリットとしては、比較的低コストで済むことが一番魅力的かもしれません。
※コラム内容はPNカフェ人の見解です。
所属する組織、及びこのサイトの公式見解ではありません。